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はがき伝道 386号 儀式

  • はがき伝道 2021年2月1日

    はがき伝道 令和2年 12月 386号 真福寺

     

     聖なるものを思い出す儀式が葬儀である

     

     誕生を祝い、結婚を祝い、

    死の別れを悼み、

    感謝と安寧を願い、

    悪霊退散を願い、

    邪気払いをして、

    清浄な魂となって、

    現世の子孫を守ってくれることを

    願う儀式をする。

    それが葬儀である。

     

     人生は一回きりの

    再生できない生命活動である。

    だからかけがえのない

    我々の生命の終焉を迎えた時に

    残された者たちが

    別れを惜しんで弔う儀式が

    葬儀式なのである。

     

     生命という

    聖なる存在を尊敬し、

    敬い愛情をもって

    思い出すことが儀式なのである。

     

     お釈迦様が

    戒名を付けなかったと

    一部の学者が語ろうが、

    お釈迦様の御遺骨は

    今も大事に祭られている。

    感謝を忘れていないからです。

     

     各家々のお墓が

    大事にされています。

    自分に命をつないでくれた

    御先祖様に対する

    感謝があるから

    お墓を大事にするのです。

     

     私という聖なる生命を、

    今に伝えてくれた

    過去の人々に対する感謝を忘れない

    葬送儀礼を大切にすることが、

    自分を大事にすることにつながる。

     

     人間の合理的思考の自由が

    通用しない現実が、

    「生老病死」である。

     

     自然界の中で生かされて死に、

    過去から現在まで命を繋ぎ、

    継承してきた聖なるもの。

    過去の聖なる御先祖様を忘れない

    感謝の儀式を否定するところに

    幸福はない。

     

     コロナの禍いの時代である。

    もう一度、立ち止まって、

    足元を見直すことが

    大事な気がします。

     

     今、ここで、一生懸命生きるためにも、

    聖なるものを

    思い出す儀式を

    大事にすべきです。