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はがき伝道 387号 目垢手垢

  • はがき伝道 2021年2月1日

    はがき伝道 令和3年 1月 387号 真福寺

     

     生活に根付いた実践(手垢目垢)のありがたさ

     

     五木寛之は

    「目垢、手垢のありがたさ」

    と題した文を書いている。

     

     浄土真宗中興の祖、蓮如は

    「名号は掛け破れ」と言った。

    「仏壇の奥深く秘蔵しておくのではなく

    身近な場所に掛けておいて、

    日夜それに親しめ」と教えた。

     

     自ら筆を執って書いた書簡、

    御文書や御文と呼ばれるそれは、

    読んで、読んで、

    読み破れと教えたという。

     

     教えが体の肉となり

    骨に染み込むまで

    読んで、読んで、読み破れ

    ということである。

     

     真福寺の檀家さんに

    「酒屋」の屋号を持つ

    安寺沢の佐藤さんがいる。

    その家から出て、

    東京に住む娘さんから

    お手紙を頂いた。

     

     今、コロナの時代である。

    明治30年代、

    秋山に赤痢が流行り、

    多くの人が病死するそこで、

    お正月の「おもち」を食べない願掛けをして

    無病息災を神仏に祈願する作法を始めたという。

    その作法を嫁いだ後も、

    今でも実践していると

    手紙で教えて頂いた。

     

     そのお嬢さんは若い頃、

    なぜか知らずに

    「酒屋」の習慣を

    嫁いだ後も実践して

    今に至っている。

    そして今回、

    はがき伝道(385号)で、

    疫病退散の願掛けと

    わかったという。

     

     120年前から

    御先祖様の思いを

    実践していたことになる。

    まさに教えを理屈無しで実践し、

    実践することで

    先人の心を

    血肉にして受け継いでいる、

    見事な生きる実践である。