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はがき伝道 423号 原風景

  • はがき伝道 2023年11月17日

    はがき伝道 令和5年9月423号 真福寺

     

    忘れられた原風景

     

     桃栗三年、柿八年という言葉がある。

    果物を植栽して、

    数年たたねば実がならない喩である。

    どんなにおいしいものでも

    待たねば実ってくれないのである。

     

     春の田植えをして夏を過ぎ、

    秋の実りを待って米となる。

    多くの人の手を経て、

    家庭の食卓に届くのである。

    待つ習慣が生活の中で

    子供のころより習慣として

    学んでいたのが

    昭和30年代までの

    日本の原風景だったのです。

     

     夕焼け小焼けで日が暮れて 

     山のお寺の鐘が鳴る

     おおてて繋いでみな帰ろ

     カラスと一緒に帰りましょ

     

     こんな風景の中で川遊び、

    田畑の草むしり、

    秋の御神輿、祭り風景、

    冬の田んぼで滑る下駄スケート、

    雪が降れば竹を半分に割って作るスキー等々、

    自然の中で季節を感じ学んだものは

    何事も一生の宝である。

    コツコツと地道に学び続けて

    始めて成功の果実を手に入れる。

     

     しかもこつこつと地道に学び続けても

    失敗がある。

    その失敗を繰り返すことで

    大きな喜びの成功を体験する。

    そのことを少年期に自然と共生する中で

    大人になっていた。

    それが過去の日本の風景だったと思う。

    幼少期の我慢とコツコツを学ばず

    即席の結果を手に入れる習慣しか学ばずに

    社会人として世に出ていくとき、

    キレやすい社会人が多くなる。

    自衛隊の研修期間3か月の末

    教官に発砲する事件が起きた。

    戦後教育の欠落している何かを

    語っている事件と思う。