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はがき伝道 390号 たまらん坂

  • はがき伝道 2021年3月16日

    はがき伝道 令和3年 4月 390号 真福寺

     

    まさかのたまらん坂

     

     朝ゆふの飯さへ こわしやわらかし

     おもふままには ならぬ世の中

    「雪峰義存禅師」宋代

     

     飯は誰でも日に三度づつ

    無くてはならぬものだが、

    その三度の飯が、

    思うままには、

    なかなか焚けない。

    いや、そこに人生難の

    すべての問題が潜んでいる・・・

    雪峰は修行中

    どこに行っても

    いつも飯頭といふ役を志願した。

    昭和12年発行「禅問答」ヨリ

     

     今、令和3年4月である。

    時代が変わっても

    変わらないものがある。

    世の中、その時代その時代の

    地獄極楽がある。

     

     そして人生の坂には、

    上り坂、下り坂、

    まさか、たまらん坂と

    生きていく中で、

    いつでも坂道を

    歩くように

    いろいろなことが起こる。

     

     中央線の国立駅と

    国分寺駅の間に、

    「たまらん坂」という地名がある。

    江戸時代の庶民が

    その坂道を登る時に

    ぼやいた言葉が

    「こいつぁ、たまらん」。

    そこから付いた名前が

    「たまらん坂」です。

     

     世の中が変わっても、

    人生の坂道はいつも同じだ。

    10年前の東日本大震災、

    昨年からのコロナ流行、

    2008年のリーマンショック、

    平成2-3年バブル崩壊、

    昭和2年世界大恐慌、

    第二次世界大戦、

    数々の人生の坂道を経験して、

    この世を旅立っていくのが

    一生ということだと思う。

     

     人生はそうした上り坂、

    下り坂、

    まさかの坂、

    こいつぁーたまらんという

    たまらん坂を

    幾重にも経験して

    なおかつ笑顔で

    ほっこりした人格をもって

    一生を送る人生でありたい。

    それが長寿を全うするということだと思う。