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はがき伝道 355号 思いやり

  • はがき伝道 2018年5月5日

    はがき伝道  平成30年5月355号 真福寺

     

    「おもいやり」と「おもてなし」

     

    菅淳一氏は

    『平成24年3月11日

    東日本大震災が勃発したときの

    被災地での惨状下においてもなお、

    他を思いやる

    日本人の心根の優しさに

    世界のメディアも世界の人々も驚愕した。

    そして、アメリカの司令官は

    あの惨状の中でも忘れない

    日本人の他を思いやる心根の優しさについて、

    日本人は日々どんな訓練をしているのかと

    問うたのである。

    日本人が当たり前にしていることが、

    世界ではそうではなかった。

    「ものづくり」や「おもてなし」だけでない、

    国民一人ひとりが持つ

    「おもいやり」の心があることを世界は知った。

    日本の国が千年に及ぶ歳月をかけて

    育んできた「禅」の心が

    ここに今宿っていることを

    知ったのである』。と語った。

     

    禅の心の一千年の伝統は

    縄文文化一万年の基盤の上に

    生まれた文化である。

    一万年の精神文化から生まれた

    優しい真心の「おもいやり」。

    共存共栄の他者への優しさの精神の上に

    一千年の禅文化があると思うのである。

     

    先史時代より今に至る

    日本文化の中で、

    昭和20年の他国に敗北した経験以外に、

    他民族に日本国土が支配されていない

    一万年以上の歴史を持つ国家なのである。

     

    そのことが精神文化の基礎に

    「おもいやり」「やさしさ」「おもてなし」

    という優しい風土を生んだのだと思っている。

    世界でも希有な国。それが日本と言える。

     

    御先祖様の絆の「おかげ」で今私はここにいる。

    となり近所の人の助け合いで

    今の私は無事生活し、

    生きている。

    「ありがたい」ご縁に「ありがとう」である。

     

    しかし、「おかげさま」と「ありがとう」の心が

    戦後70年経過し、忘れられ始めている時代が今である。